吉良 竜哉

イタリア展の眺め方#1

2014.09.26

 9月30日から伊勢丹新宿店において開催されますイタリア展に関する話題を、前回のブログで書きました通り数回にわたってお伝えしてまいります。

さて、イタリア展の公式HPにおきましては、今年は「土壌」をテーマに様々なワインの味わいの違いをひも解いていくことをご提案しています。「粘土質」「石灰質」「砂質」「火山系」「モレーン」の5つに大きく分類をまとめています。この畑の「土の性質」によってワインの味わいに差異が出るのですが、一般の消費者の方には正直わかりにくいところもあるかと思います。ここではイメージ頂きやすいように簡略化し、また実際のワイン銘柄を例にとりご説明させて頂きます。

 まず土壌の違いでなぜ味わいに差が出るのか?です。まず「粘土」ですが、皆さまも学校で工作の時に触れられたりしたことがあると思います。そのイメージを想起頂きたいのですが、文字通り「粘り気」が多いのは明白ですね。葡萄の樹は根が水分を吸い上げると同時に色んな栄養分を吸収しようとしますが、その要素も粘土質だと逞しくしっかりする、と言えます。

 続いて「石灰質」。これはミネラルを多く含みますので、まさに輸入されたミネラルウォーターの様にきりっと引き締まった辛みや、気品、透明感といった要素を含む傾向にあるのです。

 では「砂質」はもうご想像に難くないでしょう。上記2つと比べて凝縮やミネラルの要素が少なく、素直でさらりと軽めの印象を与える味わいにつながります。

このご説明はあくまで端的なものですし、一つの畑が単一の土壌のみという事もあまりありませんので実際のワインにはもう少し複雑な要素は加わりますが、まずこのイメージを共有頂ければ幸いです。

 さてここで、イタリアワイン界で「ワインの王、王のワイン」と呼ばれている銘柄に登場頂きましょう!「バローロ」です!!そしてその比較対象としていつも挙げられるのが、お隣の産地で「バローロの弟分」と呼ばれてしまう、少しかわいそうな存在、しかしバローロとともに「イタリア3大高級赤ワイン産地」の一角をなす「バルバレスコ」です。

 ちなみにどちらのワインも用いられるのは「ネッビオーロ」という品種で同じ、気候的な差異も少ないので土壌の違いが味わいに大きな影響を与えるのは明白です。

 バローロは主に粘土質土壌でそこに石灰が混じる土壌と言われます。一方、山を越えたお隣の盆地にあたるバルバレスコは、昔湖底だったと言われています。湖底ということは川の下流、海と同じく砂が溜まりますので、「砂質」が主体となるわけです。この土壌の差が、バローロの重厚感、バルバレスコの伸びと素直な果実感につながるのです。

 あとはイタリア展にて是非この2つの銘酒を飲み比べ頂き、実際に違いを体感していただければ完璧です。

 

2014イタ展2.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真では一例として、現在グランドカーヴで販売されているワインをご紹介いたします。

(右)ジャコモ コンテルノ 2005 バローロ カッシーナフランチャ 

(左)スピネッタ 2008 バルバレスコ ヴィニャ ヴァレリアーノ  

どちらも押しも押されぬ人気生産者です。それだけに価格も少しお高めです。しかしイタリア展ではもっとお手頃なバローロ、バルバレスコも多く出展いたしますので、どうぞご安心を。

では次回は、今回のテーマブースでもある「フランチャコルタ」の味わいの違いについて、土壌の話も絡めてお話していきます。 

 

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PROFILE

吉良 竜哉
2年の南欧留学を経て、スペインレストラン、インド料理バー等の新規立ち上げに携わる。
2010年より伊勢丹新宿店に勤務。
旅行、料理、食べ歩き、飲み歩き、ライヴDVD鑑賞、横浜Fマリノスをこよなく愛する。
新しいワインの開拓に専念する傍ら、生産者と直接話をするのがこの仕事の楽しみです。

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